建築業界ってどんなところ?ブラックとも言われるその業態を体験談より解説

けんちくごと

こんにちは、れもんけーきです♪

今回は、私が普段働く建築業界がどのような業態か、をご紹介します。

就職活動で100社以上にESを送り、会社説明会に50社以上行った経験から、建築に関わる業務種別についてはかなり調べ上げきました

大学に入るまでは、建築の仕事と言えば「設計」と思い込んでいましたが、実はかなり裾野の広い業界です。

これまで建築業界で働かれたことのある方には、「そうだよねー」と共感していただけて、これから建築業界を目指す方には必ず発見のある記事になっているかと思います!

皆さんが建築業界に興味を持っていただくきっかけとなれば幸いです♪

それでは、どうぞ!!

 

建築業界の業務の流れ

まず、業界のお話をする前に簡単に建築物ができるまでの流れをご紹介します。

けんちく<br>モンスター
けんちく
モンスター

なんでまず、業務の流れなの??

れもんけーき
れもんけーき

業務の流れを知っていただいてからの方が、業界の業務について理解し易いと思うからです!

建築はその事業規模によって建設費に大きな違いがあり、関わる人の数も合わせて増えていきます。

そのため、今回は、住宅とそれ以外の建築物(商業施設、ビル、病院、駅等)に分けて業務の流れをご紹介します。

一般的な一戸建ての住宅であれば設計・施工費2,000万円程度〜ということが多いですが、例えば大規模な商業施設では総事業費500億円というのも珍しくありません。

具体的に2019年に大規模改修・開業した「ららぽーと横浜」「パークシティLaLa横浜」は総事業費は約550億円とのことです。

 

建築業界の業務の流れ(住宅編)

それでは、まず、住宅ができるまでの業務の流れをご紹介します。(ここでご紹介するのは、あくまで一般論で、これに限らず様々な計画の方法があります。)

以下に図としてまとめてみました。

住宅を建設する場合の流れ

住宅を建てたい人(施主)がいて、その要望を集約、建築士が設計し、施工者が設計図通り品質を守りながら建てていくという流れです。

建てる土地が決まってから、設計・施工を得て1年程度で完成が一般的でしょうか。(もちろん、建物規模や設計にどこまでこだわるか、施工性の良い土地・設計か、品物の納期があるか等によってその期間は大きく変わります。)

施主の要望を一度で把握するのは難しいので、何度か建築士とのやりとりはありますが、基本的にはこの一方通行の流れで業務が進んでいきます。

 

建築業界の業務の流れ(住宅以外編)

 一方、大規模な商業施設などでは、以下のような流れで業務を進めることになります。

商業施設を建設する場合の流れ

まず、登場人物が増えました。そして、①〜⑤が一方通行でなく双方向となりましたね。

ほのぼのくん
ほのぼのくん

一気に流れがわかりずらくなったよ。泣

れもんけーき
れもんけーき

すみません。。以下で、できる限り分かり易く解説します!!

業務の基本的な流れは住宅と変わりません。

施主が地主と交渉し、土地が準備できたら、建築士が施主の要望に則って設計し、施工者が適切に建設する。完成した後は運営者に引き継がれ、管理されていくという流れです。

ただ、この流れが早くて3年程度〜、課題の多いプロジェクトだと10年以上かかることも珍しくありません。

その要因の一つが、「登場人物が多いこと」です。

地主一つとっても、住宅に比べ、大規模な土地が必要になる分、必然的に関わる人が多くなり、手続きにも時間を要します。基本的に利用価値のある土地は、そもそも何かしらの用途に利用されていることが多いので、新たな建築物を建てるため、土地を準備する期間が必要となるのです。

他にも、住宅の場合は登場しなかった「運営者」という関係者が増えます。施主が建物を建てた後、運営は別会社に委託されることが多いためです。運営と一言で言っても、店舗で働くスタッフの募集や、商業施設全体のプロモーション、トイレ等の清掃手配から、老朽設備の取り替え計画など多岐に渡ります。

そのため、施主だけの意向ではなく、地主の要望や運営者の使い易さ、防犯性などを考慮しながら適法な建物にしていくためには、様々な場面で、双方向のコミュニケーションが不可欠で、①〜⑤のようなやりとりが発生します。

この「やりとりの多さ・複雑性」もプロジェクトに時間がかかる要因の一つと言えます。

れもんけーき
れもんけーき

その分、完成した時の喜びや社会的影響は大きいです!!!

住宅に比べ、様々な人が利用する分、配慮すべき事項が多くなり、物事を決めるプロセスが複雑になるというのが大規模建築物の業務の特徴と言えるでしょう。

 

ここまで建築業務の流れについて、ご紹介してきました。

次から、やっと業務種別について、ご紹介していきます!!

 

建築業界の業務種別・ブラックな部分について

冒頭申し上げた通り、建築は本当に裾野の広い業界なので、今回だけでは紹介しきれない部分もありますが、「これだけは知っておいて損はない!!」という主な業種をご紹介したいと思います。

こちらも住宅とそれ以外の建築物で分けてご紹介します。

 

建築業界の業務種別(住宅分野)

住宅分野だとハウスメーカーを想像される方が多いかと思いますので、それを業務の流れに当てはめてみると、下記のようになります。

住宅分野の業種

ハウスメーカーで住宅を建てられたことのある方はピンとくるやも知れませんが、施主が最初から建築士(この場合、ハウスメーカー設計職)に会うということはまずありません。

最初に施主の元に現れるのは、ハウスメーカーの営業職で、そこで予算や建物規模などについて要望を伺うのが基本です。

ハウスメーカーの営業職はローンや建築などの基本的な知識を有しながら、最適な提案をしていかなければならないため、高いスキルが求められますが、一方で、契約を取れれば、年収1,000万円も夢ではない業種です。

他方、設計職や施工職は毎月の契約目標などに追われることはありませんが、適法な建築物を作るというコンプライアンス遵守の精神が求められます。

その点で、これらの専門職については、2級建築士・施工管理技士等の資格取得を課している会社も多いです。

 

建築業界のブラックな部分(住宅分野)

上記で契約が取れれば、ハウスメーカーの営業職は年収1,000万円も夢ではないと書きましたが、逆に言えば、契約を取れないと社内でかなりのプレッシャーを受けます。

家は一生の買い物なので、車や家具、保険などと違い、一家族で1つというのが基本です。そのため、常に新規客を探し続けなくてはなりません。

これが本当に難しくて、1つも契約が取れず辞めていく新入社員は一定数必ずいます。また、毎月ごとに結果が求められるので、先月3件とったから、今月は0でも良いという世界ではありません。加えて、同部署で働く同僚との比較もあります。そのため、毎月のプレッシャーとも戦いながら働き続けるメンタルヘルスの強靭さが求められます。

(逆に言うとメンタルヘルスに自信のない方にはオススメ正直、オススメできません。)

 

建築業界の業務種別(大規模建築分野)

一方、商業建築物等の大規模建築物の場合は下記のような業種に分かれます。

大規模建築分野の業種

 

A:デベロッパー(例:三井不動産、三菱地所)

B:設計事務所(例:日建設計、久米設計、三菱地所設計)

C:ゼネコン(例:鹿島建設、清水建設、大林組)

D:マネジメント会社(例:三井不動産商業マネジメント、三菱地所プロパティマネジメント) 

 

ほんの一例ですが、一度は聞いたことのある企業もあるのではないでしょうか。

何百億というプロジェクトになると、1社で上記の流れを全てを完結させることはできないので、複数の会社が協力して、最終的にお客さまにサービスを提供していくこととなります。

今回はその業務内容も簡単にご紹介しておきます。

 

上記で一番の人気・花形といえば、やはりデベロッパーでしょうか。「三菱地所に会いに行こう」とは何のこっちゃという感じですが、実際、東京駅丸の内出口を出ると、三菱地所関連のビルしかありません。

天然ちゃん
天然ちゃん

そりゃちょっと言い過ぎちゃうの。笑

れもんけーき
れもんけーき

いやーこれがあながち嘘でもないです。笑

大手デベロッパーはその巨大な資本力を元に、開発に必要とされる広大な土地取得や大規模なマーケティングを行い、事業の骨子を作っています。その分、社員にはあらゆる方面への知識・関心が求められ、競争倍率の激しい世界でもあります。

職業柄、大手のデベロッパーさんとやりとりすることも多いのですが、会社さんによってかなり色が違いなといった印象です。その点については、こちらで紹介しております。

 

他方、設計事務所デベロッパーの要望を具体的に建築物にしていく会社です。上記のような規模のプロジェクトを進める上では、一級建築士の資格は必要不可欠と言えるでしょう。(持っているから計画できるということではないですが、、最低限の資格ですね。)

 

ゼネコン設計された建築物を施工する会社です。文字で書いてしまえば一文ですが、その仕事の幅は想像が難しいほど多岐に渡ります。正直、日本がここまで快適で安全な建物に囲まれた国でいられるのは、彼らのおかげと言っても過言ではありません。その分、負っている責任は重く、過酷な業務環境としても知られます。こちらも会社ごとに大きく雰囲気や印象が違うので、そちらについては下記にまとめております。

 

最後に運営会社です。社名でお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私が例であげたマネジメント会社は大手デベロッパーのグループ会社です。マネジメント会社は言葉通り、出来上がった建物を運営していく会社です。企業自体が大規模というよりは、業種・業態によって細かく分かれています。商業施設のマネジメント会社とマンションのマネジメント会社が同じである必要はないですからね。

私は就職活動でマネジメント会社にも内定をもらったので、その際、かなり企業研究も行いました。

こちらについては、また別の機会にご紹介します。

 

建築業界のブラックな部分(大規模建築分野)

大規模建築物に携わる場合、どの立場であっても一番のブラックな(苦労する)部分は、関係者の多さから調整ごとが多く、時間とメンタルをすり減らすことではないかと思います。

関係者が増えるほど、自分と合わない、調整に苦労する人と出会う可能は高くなるので、やりとりに時間がかかり、勤務時間は増えて行きます。また、調整するためのコニュニケーション能力も常に必要です。

その最たる例がゼネコンで、月100時間以上の残業は珍しいことではなく、3年離職率も高い水準が続いています。

「体力に自信があるから大丈夫」と安易に捉えず、なぜ残業がそれほど必要なのか(関係者・調整ごとが多いから)をしっかり把握し、自らの強い心を持てなければ、働くのは難しい環境と言えるでしょう。

 

建築業界のまとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は建築業界の業種やブラックな部分についてご紹介しました。

便宜上、住宅と商業施設という対比でご説明しましたが、マンションや病院など建てられる用途によってスキームは異なる場合もあるかと思います。

ただ、基本的には上記の流れかと思うので、ぜひ参考にしてください。

最後までお読みいただきありがとうございました♪

 

各種業界に興味を持たれた方は、下記もぜひ参考にしてみてください!

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